まちのおとレポート

「居場所」の運営に欠かせないボランティアの活躍(まちのおと協働事業報告)

私たちは、地域に必要なものやサービスを事業として運営していく「ワーカーズ・コレクティブ」働く人の協同組合です。ワーカーズ・コレクティブメロディーは20年前に設立し、福祉事業の実践から地域の困りごとを、さらに解決したいとの思いで3年前に「多世代の居場所メロディーココ」を誕生させました。
コミュニティカフェを中心に、さまざまな企画ができるスペースも確保して、地域のニーズにも応えています。

この間、地域の方々を巻き込んだ「メロディーココ運営協議会」を基軸に運営してきて人のつながりが豊かになってきたと感じています。また、さまざまな人たちが行きかう中で、「お互いさまのたすけあい」も自然に発生しています。人が集うと、またそこに人が集まってきて、あいさつや会話を交わしていくと「顔見知り」になると気になる存在になります。出会った人たちが、お互いに何かあったら「たすけて」と言える地域社会で暮らすことはとても安心感があると思います。出会わないと中々「たすけて」とは言いにくいと思います。
コロナ禍でますます人のつながりが希薄になる中、貧困や孤立が顕著となり経済的な貧困だけではなく、つながりの貧困が社会問題となっています。この解決の方策の一つとして、「居場所」を地域に多様に展開していくことが求められていると感じています。

しかし、「居場所」の運営は事業としては成り立たないことが多く、ボランティアの関わりが重要だと思います。地域には、ボランティアをしたいと思っていても、ボランティアの定義や関わり方がわからず、躊躇している市民が多くいると考えられます。
そこで、ボランティア講座を展開することで市民力を引き出し、「気づき」から地域の「お互いさまのたすけあいの実践者」として能動的に地域のために動く市民を増やし、安心して住み暮らし続けられる地域社会を目指していきたいと思い、今回幸区ソーシャルデザインセンターの協働事業に応募し「ボランティア養成講座」を開催することにしました。

2021年11月から2022年1月まで、月に1回2時間の枠で3回開催しました。コロナ禍のため10人定員で募集を掛けたところ、平均10人程度の参加者があり関心の高さがうかがえました。
講師からの話を1時間程度にして、1時間は参加者と講師も交えた意見交換の時間を大切にして、参加者が日ごろ思っていることも多く出し合えたことは大変有意義でした。また、他者の発言からも気づきが多くあり、その後の参加者の意識の変化につながったと思います。

第1回「困った時に『助けて』と言える地域にしていこう」(2021年11月10日開催)

第2回「ボランティアって?気軽にできることから参加しよう!」(2021年12月8日開催)

第3回「小さな拠点から広がるお互いさまのたすけあい」(2022年1月25日開催)

今後は「居場所」が身近な場所で多様に展開できるように、ボランティアの関わりを増やしていくと同時に、立ち上げの資金やノウハウが手軽に入手できる機能を多様にして発展させていくことが必要だと思います。

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報告:特定非営利活動法人ワーカーズコレクティブ・メロディー(2022年3月)
ホームページ:http://wco-melody.com/

■本事業内容
コロナ禍でますます人のつながりが希薄になる中、貧困や孤立が顕著となり経済的な貧困だけではなく、つながりの貧困が社会問題となっている。この解決の方策の一つとして、「居場所」を地域に多様に展開していくことが求められている。
しかし、「居場所」の運営は事業としては成り立たないことが多く、ボランティアの関わりが重要だと考える。
地域には、ボランティアをしたいと思っていても、ボランティアの定義や関わり方がわからず、躊躇している市民が多くいると考えられる。
そこで、ボランティア講座を展開することで市民力を引き出し、「気づき」から地域の「お互いさまのたすけあいの実践者」として能動的に地域のために動く市民を増やし、安心して住み暮らし続けられる地域社会を目指していきたい。

■事業の対象者・定員:
対象:幸区民、地域に広く呼び掛ける。民生委員や町内会で活動している方々。生協の組合員。
定員:10 名程度

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